2023年5月6日土曜日

国際情勢の今後を「予想」する作業にどれほどの意味があるのだろうか【未来ノートコラムA・第20回】

 ロシア軍がウクライナに侵攻して戦争が始まって以来、世論は世界情勢が自分たちに与える負の影響をいっそう憂慮するようになった。戦争や国際関係が直接日本に与える安全保障のリスクは当然のこと、これらはエネルギーや物資の価格など、人々の日常生活にも経済的な面で大きな負荷を与える可能性が高い。その流れの中で、人々の国際ニュースへの関心が高まっていく。

ウクライナ戦争について解説する有識者の中には、この戦争の将来の展望をある程度予想するような人がいる。このような国際情勢の展開の「予想」は、上述のように国際情勢の影響の自分たちへの波及を憂えている人々を中心に、多くの人の関心を集めやすい。だが、関心の高い事柄であるからと言って、そのような識者たちの「予想」が概ね本当に信頼に値するものなのかどうかは、別の論点の話だ。

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