2022年2月23日水曜日

しかしダブルスピーク[二重語法]とは実に相対的な概念である【未来ノートコラムA・第13回】

 ジョージ・オーウェルが第二次大戦終結後に発表したディストピア小説『1984年』には、ダブルスピークという概念が登場する。日本語にすると、凡そ「二重語法」などとされる。国民の福祉や、あるいはある程度知識を持つ階級に対して極度の言論規制を張る全体主義国家オセアニアにおいて、住人は生まれた時から洗脳教育を施され、完全に国家に忠実な人間とされる中で、その理性的な思考も奪われ、明らかに文明的な価値観からすれば誤った物事も、正しいものだと思ってしまう。そんな支配の中で登場する概念だ。

全体主義国家オセアニアの省庁は作中でいくつか登場するが、その省の名前に最もこの概念ダブルスピークが表れている。

2022年2月14日月曜日

多数決文化との決別【未来ノートコラムA・第12回】

多数派がいつも正しいとは限らない、それはいつだって

 小学校の算数の授業で、アナログ時計は一日に何回長針が短針を追い越す(=重なる)かという問題が出されたという。選択肢は、21回、22回、23回、24回、25回の5つであった。

当然ながら、答えは22回である。算数的なテクニックを使えば2秒で求まる問いだが、冷静に一つずつ考えてもそう時間はかかるまい。午前中は、まずいきなり0:00に追い越しが行われ、次に1時台には1:05頃に追い越し、2時台には2:11頃に、3時台には3:16頃に、4時台には4:22頃に………と続いていって、10時台には10:55頃に追い越しが行われる。そして次の11時台だが、11時以降の短針と長針との追いかけっこは、正午12:00に決着がつく。この時点で、もう時刻は「午後」に入っているため、これは午後に行われた追い越しとカウントされる。よって、11時台には追い越しが行われず、午前中に行われる追い越しの回数は11回。これが午後も行われるわけだから、11*2=22回が正解だ。

2022年2月2日水曜日

1987年版日付変更チョーク【ドラえもん傑作ファイル・第10回】

 ドラえもん傑作ファイルでは今まで1~9回では原作漫画作品を中心に扱ってきましたが、もちろんこのようなアニメ作品やアニメオリジナル作品も扱っていこうと考えています。その第一弾が大山版アニメのこの作品になります。なお、『日付変更チョーク』は原作にある『日づけ変こうチョーク』のアニメ化です。

●基本データ
原作:『日づけ変こうチョーク』(一85.1/C2.18/CW16.10)
初回放送:1987.3.13(大山版アニメ第907話、初のアニメ化)

▲以下ネタバレ注意!

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