2022年12月31日土曜日

2022年の最後に

 今年もあと二三時間で終わりそうだ。昨年の大晦日にも、「2021年の最後に」という題で一年の振り返り記事を書いたが、今年は昨年のその記事よりは手短にまとめようと思う。

まず世相について。今年はウクライナでの戦争が、世界の出来事を中心となって動かしていた。詳しいことは「安全保障と民主主義 その2」などの記事で書いたが、一つ私が感じたのは、やはり今の国際社会では「倫理観」に優越していることが、非常にこちらに利をもたらし得るのではないかということ。もちろん、ロシア側にも自分たちなりの「大義」があったはずなのだが、現在の物質的な戦況や、世論などの情勢を見る限り、それは倫理的に優であるというには及ばないものであるということなのだろう。

2022年12月30日金曜日

弧を生きる

 近現代社会の複雑化は、民衆にマスメディアへの依存を強制した。今を生きる人間たちのコミュニティの繋がりは、より広範囲に拡大し、そして世界をも一つに統合しようというグローバル化の動きさえ今現在加速している。人間一人ひとりの価値・能力の意味がこれにより薄まっていく。残念ながら、現代を生きる人々は、巨視的な視点でなければ観察することができなくなった社会全体の動きを、もはや各々の力で捉えることはできなくなった。そして、その「視点」を独占するようなかたちで発達したのが、マスメディアであった。

2022年12月19日月曜日

安全保障と民主主義 その2【未来ノートコラムB・第14回】

2022年も終わりに近づいている。本ブログ「未来ノート」では昨年と同様にこの12月に日本と世界とを巡る安全保障情勢の総括記事を書こうと思う。昨年の記事では、世界情勢に関連して、新冷戦、民主主義の優位性などについて述べた。今年いちばんの国際社会に影響を与えた出来事は、ロシアによるウクライナへの侵略だ。今年は、これらの出来事の経緯を踏まえたうえで、日本が採るべき安全保障政策の具体像に迫ってみよう。

選抜記事

多数決文化との決別【未来ノートコラムA・第12回】

多数派がいつも正しいとは限らない、それはいつだって  小学校の算数の授業で、アナログ時計は一日に何回長針が短針を追い越す(=重なる)かという問題が出されたという。選択肢は、21回、22回、23回、24回、25回の5つであった。 当然ながら、答えは22回である。算数的なテクニックを...

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