2023年5月6日土曜日

国際情勢の今後を「予想」する作業にどれほどの意味があるのだろうか【未来ノートコラムA・第20回】

 ロシア軍がウクライナに侵攻して戦争が始まって以来、世論は世界情勢が自分たちに与える負の影響をいっそう憂慮するようになった。戦争や国際関係が直接日本に与える安全保障のリスクは当然のこと、これらはエネルギーや物資の価格など、人々の日常生活にも経済的な面で大きな負荷を与える可能性が高い。その流れの中で、人々の国際ニュースへの関心が高まっていく。

ウクライナ戦争について解説する有識者の中には、この戦争の将来の展望をある程度予想するような人がいる。このような国際情勢の展開の「予想」は、上述のように国際情勢の影響の自分たちへの波及を憂えている人々を中心に、多くの人の関心を集めやすい。だが、関心の高い事柄であるからと言って、そのような識者たちの「予想」が概ね本当に信頼に値するものなのかどうかは、別の論点の話だ。

2023年4月22日土曜日

未来ノート2周年

 明後日4月24日で、私がこのブログ「未来ノート」を開設してから2年が経つ。その節目に、少しばかり挨拶を入れたいと思う。

そもそも私がこのブログを開設したのは、自分が持っている日本社会や国際情勢に対する主張・見解を表明したり、自分の趣味である事柄を語ったりするのが、その主な目的であった。そうしてブログの記事の文章を書いているうちに、私はブログ開設前には知らなかったいろいろな事実や教養を学ぶことができるようになった。また、SNSアカウントもその途中で開設した。

2023年3月22日水曜日

プロ野球 セ・リーグ順位予想2023

 まずは、WBC日本代表侍ジャパンの選手・スタッフの皆さん、世界一おめでとうございます!!MVPは二刀流の超活躍を見せた大谷選手でしたが、準決勝で同点弾を放った吉田正尚選手、逆転サヨナラ打を放った村上宗隆選手、決勝で3点目の本塁打を放った岡本和真選手などなどなど、本当に誰か欠けていたら手に入れられなかった結果ではないかなと思っています。私たちもいま非常に嬉しく、誇らしく思っています。改めて優勝おめでとうございます。

さて、今度の記事では、プロ野球開幕まであと9日ということで、昨年に引き続き、今年のプロ野球セ・リーグの動向を占っていきます。早速順位予想を発表していきますが、私自身野球の分析は素人ですので、この予想にそれを信頼できるほどの価値はないことを始めに断っておきます。

2023年2月24日金曜日

ウクライナ侵攻開始から1年 「不当な平和」を考える【未来ノートコラムB・第15回】

 本日2月24日は、昨年のこの日、ロシアがウクライナへ侵攻を開始してからちょうど1年が経つ。現代において稀に見る国家と国家との間の全面戦争。その実態は、カメラを通して平穏な日々を過ごす日本の我々にも届けられた。私も含め、人々が戦争と平和、あるいは自国と世界の安全保障について大きく考えさせられるきっかけとなった。

ロシアは当初広い方角からウクライナ国土の占領、そして非武装化すなわち全面降伏を図ったが、開戦初期の両軍の作戦の成否など様々な要素や、欧米などのウクライナへの支援によって、ウクライナは当初占領された地域の一部奪還に成功し、現在戦線は膠着状態だ。一方、ウクライナとロシアとの和平交渉は、戦争開始直後から何度も行われてきたが、停戦・和平が締結されるには全く至っていない。

戦争は1年経った今もなお続いている。我々はこの戦争、いや現在進行中の歴史の出来事から何を学べばいいのだろうか?その答えにたどり着くためにすべきこととは何なのだろうか?少しでも賢明な答えを見つけるべく考えていく。

2023年2月22日水曜日

知られざる『ハリー・ポッターシリーズ』の裏のテーマとは

(注意)『ハリー・ポッターシリーズ』全編のネタを割っています。原作未読、あるいは映画未視聴の方はご注意ください。

 世界的に有名な児童文学シリーズ・メディアミックス作品である『ハリー・ポッターシリーズ』。10歳の時に自分が魔法使いだと知った少年が、魔法学校に入学し、両親をかつて殺害した宿敵と戦っていくというストーリーです。最終巻で主人公ハリーは宿敵ヴォルデモート卿を打ち倒しますが、ストーリーが壮大すぎて、全ての戦いが終わった後で、「結局ヴォルデモート卿は何がしたかったんだ?」などと疑問を感じた方も少なからずいるのではないでしょうか。この記事では、ヴォルデモート卿の作中での目的や、ストーリー構図から、『ハリー・ポッターシリーズ』で最終的に作者は何を表現したかったのか、その「主題」を追究していこうと思います。

もっとも、この記事で私が示した結論が正しい――つまり私がここで書いた内容が作者の本来の意向に実際に沿っている――とは限らないし、他の様々な観点からのアプローチでもっと多様な分析・考察が可能だと考えています。ですから、この記事を読むときは、あくまで作品に対する解釈の一つとして考えておいてください。

▲以下ネタバレ注意!

2023年1月31日火曜日

【持続的平和に資する 第3回】ナショナリスト的国防論に未来は無い

<<第2回を読む

 さて、このウェブログ「未来ノート」で昨年6月に書き始めた【持続的平和に資する】シリーズも、今回で3回目を数えることとなる。大意としては、これまでのこの2回において、私は日本と世界の安全保障に関して、以下の2つのことを中心に述べてきたはずだ。

  • 現代戦争の根本的な原因は、兵器や軍備ではなく、イデオロギーの差異
  • 民主主義は、戦争を回避することが出来るイデオロギー

その上で、地球上からあらゆる戦争を除去するためには、基本的人権の擁護や、言論の自由(情報公開の促進)、民主主義といった価値観の普及が必要だとした。ここに挙げた価値観や理念は、普段我々がこれらの言葉を用いる時の意味よりも抽象的なものであり、他者に強制して実現するようなものではなく、世界のより多くの人々に対する受容性を考慮して設計されたものである。

2023年1月28日土曜日

SNSメディアの効用とストレス源性【未来ノートコラムA・第19回】

 Yahoo!ニューストピックにこんな記事が上がっていたので紹介する。

Yahoo!ニュース(NATIONAL GEOGRAPHIC):「昔より世の中は悪くなっている」 SNSの見過ぎでゆがむ認知、抜け出す方法は【科学で明かす身近ななぜ】

この記事によれば、人々がSNSニュースを見てストレスを感じるのは、実は人間が持っている、様々な危機に乗り遅れないようにしようとする本能が、認知を歪ませている結果だというのだ。これは人類の持つ動物的な習性のうちの一つで、不安を生じさせるようなネガティブな情報ほど、人は過敏に反応し、重く長期間にわたって受け止めるというのものだそうだ。それに加えて、マスメディアというものは、基本的に世間の問題点や負の側面を中心に報道する。これを通じて社会の改善を訴えようとしているからだ。逆に肯定的な報道は、否定的な報道よりも意味を為しにくい。

選抜記事

多数決文化との決別【未来ノートコラムA・第12回】

多数派がいつも正しいとは限らない、それはいつだって  小学校の算数の授業で、アナログ時計は一日に何回長針が短針を追い越す(=重なる)かという問題が出されたという。選択肢は、21回、22回、23回、24回、25回の5つであった。 当然ながら、答えは22回である。算数的なテクニックを...

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