2021年10月16日土曜日

イソップの警告【未来ノートコラムA・第8回】

 イソップ童話にこんな話がある。

葦の生える沼川に住むカエルたちは、毎日川の畔でゲコゲコと鳴くだけの自由過ぎる日々に飽きてしまった。そこで、自分たちを統制してくれる何か王様みたいのを授けてくださいと、天の神ジュピターに申し入れた。

ジュピターは、カエルたちが非常に単純で愚かな動物だと見抜いており、そこで天から巨大な丸太を落としてやった。丸太はものすごい音と波を立てながら、川の水面にザブンと落ちた。カエルたちはそれに驚いて、恐れて急いで川の畔へと逃げた。しかし、しばらくすると、丸太が落ちた音も波も止み、静けさが戻って来た。そこで、一匹のカエルが、さっき大きな音を立てたのは今川面に浮かぶ丸太だということに気づく。

2021年10月15日金曜日

ラジ難チュー難の相?【ドラえもん傑作ファイル・第7回】

 今回は、藤子・F・不二雄の晩年作である短編『ラジ難チュー難の相?』を紹介したいと思います。ただ、少し下品な内容が含まれています。苦手な人はご容赦ください。でもやはりそういう下品な要素や今では考えられないような要素も含めて、国民的漫画『ドラえもん』だと考えているので、ここで紹介させていただきます。

●基本データ
初出:「小学四年生」1990年5月号『品物運勢鏡』
単行本:てんとう虫コミックス「ドラえもん」第43巻第14話
大全集:第17巻第34話
アニメ化:1991年『品物運勢鏡』、2016年『チュー難の相に気をつけろ』

▲以下ネタバレ注意!

2021年10月14日木曜日

朝日だけではない【未来ノートコラムA・第7回】

 昨月29日に行われた自由民主党総裁選挙では、新人の岸田文雄氏が勝利し、その後すぐに党総裁として役員人事が決定され、彼が総理大臣に就任する翌月4日までには、彼の内閣の人事がだいたい定まっていた。

一方で、総裁選一夜明けた30日夕刻、朝日新聞が「自民党の岸田文雄総裁は萩生田光一文科相を官房長官に充てる方針を固めた」という旨の報道を行った。「~する方針を固めた」というのは、そうなることが決定的だということを示す時に使われる報道表現なので、官房長官は松野博一氏になった訳だから、結局この朝日の報道は誤報となってしまったわけだ。

2021年10月9日土曜日

岸田内閣発足【未来ノートコラムB・第6回】

 前回の投稿から2週間あまりが過ぎてしまいましたが、健在です。前回の「未来時事評論」は何をしたかというと、自民党総裁選挙の結果予想をしました。具体的な予想としては、各候補の勝利確率として岸田氏50%、河野氏37%、高市氏12%、野田氏0%とし、残る不安定要素として、高市氏の追い上げや安倍フォン、そして党員投票関連の世論調査の正確性への疑問などを挙げたと思います。

結果は当然、私が50%とと予測してきた岸田氏が勝利しました。ただ、私の予想通りと言いたいところがどうも言えないのです。原因は主に二点、岸田氏の一回目投票での第一位獲得、そして高市氏の議員票での躍進です。

選抜記事

多数決文化との決別【未来ノートコラムA・第12回】

多数派がいつも正しいとは限らない、それはいつだって  小学校の算数の授業で、アナログ時計は一日に何回長針が短針を追い越す(=重なる)かという問題が出されたという。選択肢は、21回、22回、23回、24回、25回の5つであった。 当然ながら、答えは22回である。算数的なテクニックを...

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