イソップ童話にこんな話がある。
葦の生える沼川に住むカエルたちは、毎日川の畔でゲコゲコと鳴くだけの自由過ぎる日々に飽きてしまった。そこで、自分たちを統制してくれる何か王様みたいのを授けてくださいと、天の神ジュピターに申し入れた。
ジュピターは、カエルたちが非常に単純で愚かな動物だと見抜いており、そこで天から巨大な丸太を落としてやった。丸太はものすごい音と波を立てながら、川の水面にザブンと落ちた。カエルたちはそれに驚いて、恐れて急いで川の畔へと逃げた。しかし、しばらくすると、丸太が落ちた音も波も止み、静けさが戻って来た。そこで、一匹のカエルが、さっき大きな音を立てたのは今川面に浮かぶ丸太だということに気づく。