2021年4月30日金曜日

【偽りの平和主義と戦う 第3回】補足:許される独裁者の要件

 第3回本文で、「知能を持たない人」を、政治の場から排除するために、一部「独裁」を取り入れて政治をするのは許されると説明しましたが、その「知能を持たない人」というのは主に大きく2つに分けられます。

1.未成年
2.発展途上国などで、教育を受けていない人

唐突に、「知能を持たない人」というと、何か差別を行っているのではないかとお思いになるかもしれませんが、そういう訳ではなく、具体的には上のような人たちを、まとめて「知能を持たない人」と表現させていただきました。全く頭が働かないような人々ではなく、先進国などにおける十分な水準の教育を完全に受けていないような人々を指しているのです。

【偽りの平和主義と戦う 第3回】人種とイデオロギー

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行が頂点にあるなか、中国共産党と中華人民共和国政府は、米国のトランプ大統領(当時)やポンぺイオ国務長官(当時)が、中国ウイグルにおけるウイグル人の強制収容や、香港での言論弾圧について厳しく追及していることに対して、「イデオロギーの偏見を捨て去るべきだ」などと反発しています。ここで気になるのが、「イデオロギー」という言葉です。イデオロギー、この言葉は、人によって解釈がずいぶん異なり、Wikipediaには美濃部達吉やマルクスが述べた「イデオロギー」という概念の解釈について書かれています。それはさておき、簡単に言ってしまえば、「イデオロギー」とは、「資本主義」「民主主義」「共産主義」などの「××主義」などといった感じのものと捉えてだいたい間違いないでしょう。

それを踏まえたうえで、中華人民共和国などの政府が頻繁に口にする、「イデオロギーの偏見を捨て去るべきだ」という発言の真意に迫っていきましょう。

2021年4月28日水曜日

【偽りの平和主義と戦う 第2回】国際連合と安全保障理事会

今の国際社会を語るうえで、国際連合という組織が欠かせなくなってきたのは、とうの昔のことでした。今や国際連合は地球を代表する「世界政府」としての役割を担っていると多くの人たちが認識しています。その例として、未来世界を描くSF作品では、国際連合を「世界連邦」だとか「地球連邦」だとかいって扱っているのがあります。

みなさんも国際連合は平和主義を掲げ、世界に平和をもたらした、なくてはならない組織ないし機関だと考えているのではないでしょうか。しかし、この国際連合の結成された歴史を見るに、本当にそうなのだろうかと僕は疑問に思うことがあるのです。

2021年4月25日日曜日

大ピンチ!スネ夫の答案【ドラえもん傑作ファイル・第1回】

 「ドラえもん傑作ファイル」では、僕のお気に入りの『ドラえもん』の短編の中から選りすぐりのモノを取り出して、そのあらすじと、僕の考察や感想を述べていこうと思います。

今回取り上げる短編は、『大ピンチ!スネ夫の答案』です。本当にこのシリーズ第1号に相応しい面白い作品です。

●基本データ
初出:「小学三年生」1982年9月号
単行本:てんとう虫コミックス第28巻第11話
大全集:第13巻第30話
アニメ化:1983年『テストはやっぱりこわい』、2007年『男の友情さく裂!?大ピンチ!スネ夫の答案』、2018年

▲以下ネタバレ注意!

【偽りの平和主義と戦う 第1回】日本国憲法と自衛隊と冷戦

2019年ごろまでは、日本の中央政界、特に安倍晋三首相(当時)や自由民主党は、憲法改正、具体的には平和主義を定めた現行憲法第9条に、自衛隊を明記する、そういう改革を目指していました。そして2019年のゴールデンウィークには、翌年(2020年)には新憲法を施行したいというメッセージを彼が出すなどしました。

しかし、中国からの新型コロナウイルス感染症、今にいうCOVID-19が日本に流入すると、もうそれどころの話ではなくなりました。4月には緊急事態宣言も発出され、国民誰しもがそれへの対応を求めるようになると、憲法改正など既にどうでもいい話となり、世論調査を見る限り、国民の憲法改正への関心はほとんど無いようです。

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