民主主義を通じて政治的な議論を効率よく進め、共同体において共同の結論を出すためには、いくつか意識しておかなければならないことがある。
その一つが、「同一性を示すのは無意味」ということだ。具体的にどういうことだろうか。
例えば、ある人物が、リンゴを見て「このリンゴはイチゴのように赤い」と主張したとする。つまり、「リンゴ≒イチゴのような赤さ」と言っているわけだ。それに対して、別の人物は「いやいや、イチゴの赤みというのはもっと鮮やかだ。このリンゴはイチゴではなくむしろイチジクの赤みを持っている」と主張する。そうしてある一つの命題を巡っての対立が起こる。